デジタルリテラシーとは|高めるメリット・方法・コツを解説


 

業務のIT化やDXを推進する上で欠かせないのが、従業員のデジタルリテラシーを向上させることです。本記事では、従業員のデジタルリテラシーを高める必要性やメリットのほか、デジタルリテラシー向上に有効な方法・コツについて詳しく解説していきます。
デジタルリテラシーとは

 

まずは、デジタルリテラシーの意味や必要性について見ていきましょう。

デジタルリテラシーの意味

デジタルリテラシーとは、「デジタル技術を適切に活用するために必要な知識や能力」のことです。本来、リテラシー(Literacy)は「読み書きする能力」を意味しますが、「特定分野について理解して活用する能力」という意味でも広く用いられています。

 

近年はビジネスのさまざまな領域でデジタル化が進んでおり、業務を円滑に進める上でPC・スマートフォンなどのデバイス類や各種ソフトウェアを使いこなすスキルは欠かせないものとなっています。また、ビジネスモデルや組織を変革するためにDXを推進する動きも広まっており、従業員のデジタルリテラシー向上の取り組みに注力する企業が増えています。

ITリテラシーとの違い

デジタルリテラシーと類似した言葉に「ITリテラシー」があります。IT(Information Technology)はネットワークやセキュリティなどの情報技術を指し、ITリテラシーは「ネットワークやセキュリティに関する情報技術を理解し、適切に活用する能力」を意味します。
一方、デジタルリテラシーの「デジタル」は、ITを含めたデジタル技術全般を指すため、デジタルリテラシーのほうが広義で捉えられる傾向があります。
ただし、両者を区別する明確な定義はなく、同じような意味で用いられることも少なくありません。

すべてのビジネスパーソンに必要

業務のIT化やDXは避けられない流れとなっているため、デジタルリテラシーはすべてのビジネスパーソンが身に付ける必要があります。また、従業員のデジタルリテラシーが低い企業では「業務効率や生産性の低下」「情報共有のロス」「情報漏洩の発生」などが懸念されるため、リテラシー向上施策は重要度の高い取り組みです。

企業によるDX推進やデジタルに強い人材の育成は国も推奨しており、経済産業省は2020年11月から「DX認定制度」をスタートさせました。DX認定制度とは、DX推進の準備が整っている企業を国が認定する制度です。DX認定を受けることができれば、DXに前向きに取り組む姿勢を対外的にアピールしやすくなり、企業イメージや信用力の向上につながります。
※DX認定制度:https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-nintei/dx-nintei.html

デジタルリテラシー向上によるメリット

 

従業員のデジタルリテラシーを向上させると、以下のようなメリットや効果が得られます。

 

  • セキュリティ意識の向上
  • 業務効率化・生産性向上
  • DX・業務改革の推進
  • 企業としての競争力の向上

 

ひとつずつ見ていきましょう。

セキュリティ意識の向上

組織全体のデジタルリテラシーが不足している場合、セキュリティ対策の重要性を認識できず、情報管理が甘くなる可能性があります。デジタルリテラシーを高めれば、情報やデータを適切に管理しないことによるさまざまなリスクを理解できるようになるため、セキュリティ意識が向上し、サイバー攻撃や情報漏洩を未然に防ぐことができます。

業務効率化・生産性向上

従業員のデジタルリテラシー向上は、業務プロセスの効率化や生産性の向上に貢献します。ITツールやAIなどのデジタル技術の有用性を理解・活用できるようになるため、以下のようなことを実現できます。

 

  • 手作業の自動化
  • データの一元管理・活用促進
  • 部門間のスムーズな情報共有・連携

 

また、アナログな業務プロセスにありがちな人的ミスや重複作業が減り、業務の質が向上します。定型的な作業が自動化・効率化されれば、従業員はコア業務に注力できるようになるため、組織全体の生産性を高めることが可能です。

DX・業務改革の推進

DXは、部門や業務領域の垣根を越えて全社横断的に取り組む必要があります。組織全体のデジタルリテラシーが底上げされれば、「デジタル技術を積極的に活用しよう」という気運が高まり、DXに対する従業員のモチベーションが向上します。それにより、「業務改革のスピード向上」や「新たなビジネスモデルの創出」などが期待できます。

企業としての競争力の向上

デジタル技術に関する理解が不足していて従来のアナログな業務プロセスに固執したままでは、時代のニーズに応じたビジネスをスピーディに展開できず、競合他社に先を越されてしまいます。その点、従業員のデジタルリテラシーを高めてデジタル技術の活用やDXが推進されれば、より競争力の高いビジネスモデルや組織を構築することが可能です。

従業員のデジタルリテラシーを高める方法・コツ

 

従業員のデジタルリテラシーを高めるために、具体的に何をすればよいのでしょうか。ここでは、デジタルリテラシー向上に有効な方法やコツを4つ紹介します。

デジタルリテラシーの重要性を周知・共有する

従業員の理解や協力がなければ、デジタルリテラシーを高める取り組みは成功しません。まずは、「何のためにデジタルリテラシーを高める必要があるのか」といった目的を明確にし、その重要性を従業員に周知・共有することが肝要です。

従来の業務プロセスに慣れている従業員の中には、デジタルリテラシー向上の取り組みやDXに懐疑的な人がいるかもしれませんが、メリットや効果などを具体的に示すことで理解を促進できます。その際、企業視点の利点だけではなく、「手間のかかる作業の削減」「ワークライフバランスの向上」など、従業員視点でのメリットも丁寧に説明しましょう。

デジタルリテラシーを評価指標に加える

人事評価において、デジタルリテラシーに関する評価指標を加えるのも一案です。例えば
「ITツールの有効活用」「データの分析や活用」「情報セキュリティに関する知識」などを評価指標とすることで、従業員は具体的に目標を設定しやすくなりモチベーション向上につながります。

IT関連の資格取得を推奨・支援する

従業員にデジタル関連の知識やスキルを能動的に習得してもらうために、IT関連の資格取得を推奨・支援することも効果的です。習得してほしい知識やスキルに応じた資格を選定し、受験料や合格した場合の報奨金、資格手当などを支給すれば学習意欲を高めることが可能です。
IT関連の資格試験にはさまざまな種類がありますが、従業員のデジタルリテラシー向上には「ITパスポート試験」や「基本情報技術者試験(FE)」などが適しています。

IT研修サービスを活用する

従業員のデジタルリテラシーを業務に活用できるレベルまで高めるには、適切な学習プログラムを提供することが不可欠です。とはいえ、社内でデジタル領域に関する専門的な研修を企画・実施するのは難易度が高く、担当者の負担も懸念されます。
デジタルリテラシー向上の取り組みに本腰を入れる場合は、外部のIT研修サービスを活用することをおすすめします。ITに特化した研修サービスではさまざまな分野のコースが用意されている上、IT初心者にもわかりやすく教えるノウハウが蓄積されています。

 

従業員のデジタルリテラシーを高めてDXを推進しよう
デジタル化が進む現代の市場環境で自社の競争力を維持・向上させるには、従業員のデジタルリテラシーを高めて業務のIT化やDXを推進する取り組みが欠かせません。取り組みを効果的に進める上で重要なのは、従業員にデジタルリテラシーの目的や必要性をしっかりと周知し、適切な学習プログラムや支援を提供することです。デジタル技術の有用性を理解して学習環境が整えば、従業員の学習意欲やDX推進の気運を高めることができます。

デジタル技術を有効活用できる人材を育成して、DXを推進しましょう。

 

1社様向けの研修、1名様から参加可能な公開研修に関するご相談は、下記の「研修のご相談」からご連絡ください。
1社様向けの研修につきましては、オーダーメイドのご提案も可能です。
公開研修は下記の「お申込みページ」からもお申込み頂けます。(お見積書の発行も可能です。)

 

 

研修のご相談