職務適性検査とは|人材の性格・基礎能力を定量的に測る検査


人手不足が叫ばれる昨今、人材との適切なマッチングやスムーズな組織運営に注力する企業が増えてきました。人材の性格や基礎能力等を測る「職業適性検査」は、それらを推進するための有効な手段となります。この記事では、職業適性検査の概要から、メリット、おすすめ検査5選、検査を選ぶ際のポイントなどをご紹介します。
職業適正検査の目的と活用シーン


 
それでは、職業適性検査について詳しく見ていきましょう。

 

職業適正検査の目的

そもそも職業適性検査とは、人材がその職業に適しているのかを診断する検査です。一般的な職業適性検査は「人材の性格」「潜在的な能力」を知ることを目的としています。一律の質問を投げかけることで、その人の考え方や価値観を定量化します。また、論理的思考や言語能力などについても測ることができます。(選択する職業適性検査によって、測れる能力は変わります。)
 

職業適正検査を活用するシーン

職業適性検査は、主に以下のようなシーンで活用されます。
  
◎人材採用
◎人材配置・昇格
◎人事評価
◎組織マネジメント
  

職業適性検査は、新入社員や中途社員の採用段階で実施されると考えられがちですが、既存社員への実施も有効です。全般的に、人材を「見極める」意味で利用されるケースが多いと言えます。
 

職業適正検査を実施するメリット


 
それでは、職業適性検査を実施する企業側のメリットについて見ていきましょう。
 

採用の効率化

まずは、採用時の作業の効率化です。面接に進む前の段階で、職業適性検査を実施することで、自社の社風や業務に適した人材かどうかを定量的に把握することができます。それにより、面接の効率化など人事担当者の負担を大きく減らすことに繋がります。
  

また、職業適性検査によって履歴書などでは判断のつかない性格や能力の面が見える化できます。それにより、人事担当者の主観に頼らない採用が実現でき「採用ミスマッチ」も減少します。これは、採用する側だけでなく、される側にとっても大きなメリットであると言えます。
 

適材適所の実現

職業適性検査は採用だけでなく、既存社員の性格や能力を測るためにも使われます。そのデータを、例えば営業成績や普段の仕事ぶりと紐づけることで、人事異動や昇格等について検討する際の材料が得られます。結果的に、適材適所が実現できます。
 

組織の状態把握

もう一つは、組織の状態把握です。現在の組織にどのような価値観や能力を持った人材が多いのか、それにより、組織でどのような事が起こっているのかを分析します。組織課題や、退職者がどのような価値観や能力を持っていたのかなどと紐づけて検討することにより、組織課題解決の糸口が見えてきます。
 

おすすめ職業適正検査5選


 
職業適性検査には多くの種類がありますが、ここでは厳選した5種類をご紹介します。
 

SPI3

まずは、リクルートの適正検査「SPI3」です。年間14,400社が採用しており、これまでの受検者数は215万人にものぼるポピュラーな職業適性検査です。企業規模や業種を問わず利用できること、受検形式が選べること、その後のサポートが手厚いことなどが特徴です。検査は基本的に「性格検査」「基礎能力検査」があり、大卒・中途・高卒採用などによって種類が違います。また、従業員向けの検査もあり、人材育成などにも活用できます。

▶︎SPI3/リクルートマネジメントソリューションズ
 

ストレス耐性DIST

人材のストレス耐性を測る検査です。業務上のストレス要因を「対人面」「対課題面」「対役割面」「対環境面」の4つに分類し、それらの耐性を測ります。さらに、直面したストレスの解消方法なども明らかにした上で、「ストレスを避ける思考」なのか「ストレスを突破しようとする思考」なのかに分類します。約10分程度で100問の設問があり、紙で受検、Webで受検などの方法があります。

▶︎ストレス耐性DIST/ダイヤモンド社
 

玉手箱Ⅲ

玉手箱Ⅲは多くの企業で導入されている職業適性検査です。基本的に、採用の応募者に向けて「知的能力」「パーソナリティ」を測ります。大卒生に向けたものの場合、49分間で計数・言語・英語・パーソナリティ(OPQ)の4つのカテゴリの検査が実施されます。検査結果は、「バイタリティ」「チームワーク」など9つの特性に分類して分析されたもの等で得られます。

▶︎玉手箱III/日本エス・エイチ・エル
 

内田クレペリン検査

日本の心理検査の中でも歴史のある検査で、年間70万人が受検していると言われます。一桁の足し算を、1分ごとに行を変えつつ合計で30分間実施します。作業量や誤答、計算量の変化などから「能力面の特徴」「制作・行動面の特徴」を測ります。それらを検討し、その人材の働きぶりを把握します。具体的には「発動性(取り掛かりや滑り出し)」「可変性(気分や行動の変化)」「亢進性(物事を進める上での強さや勢い)」という視点で判定します。

▶︎内田クレペリン検査/日本・精神技術研究所
 

適正検査BRIDGE

リンクアンドモチベーションの「BRIDGE」では、「ポータブルスキル(能力適正)」「モチベーションタイプ(評価基準・意欲)」「ポテンシャル(学力・性格)」を検査します。特に新卒社員の採用段階での活用を想定されているもので、一律の検査で「基礎的な社会人としての教養・知識力・特性」を比較検討する目的があります。また、事前に特性を把握しておくことで、入社後もその人材にマッチした育成方法で、効果的な人材育成を進めることができます。

▶︎適正検査BRIDGE/リンクアンドモチベーション
 
※全て、2023年11月時点の情報です。

 
この他に、アスリーブレインズのブログでは「利き脳診断」「DX検定」等についてもご紹介しています。そちらもぜひ、ご覧ください。

▶︎思考特性がわかる「効き脳診断」|企業の活用方法・事例を紹介
▶︎DX検定とは|出題領域から難易度、企業の活用方法まで解説
 

職業適正検査の選び方


 
ご紹介した以外にも、多くの職業適性検査が存在します。それらを選ぶ際、何をポイントに置けば良いのでしょうか。
 

目的に合っているか

まずは、職業適性検査を実施する目的です。採用か、適材適所か、評価なのか、また「何を知りたいのか」によっても選ぶ検査はまったく違います。用途、対象者、知りたいスキルなどを整理した上で、検査を比較検討しましょう。
 

実施可能な検査方法か

各検査には、紙ベースの検査のみのもの、Webでも実施できるもの、英語版もあるものなどさまざまです。検査の対象や、実施タイミング等によって最も適した方法を選択しましょう。
 

予算内に収まっているか

職業適性検査の価格は、一人単位、組織単位などさまざまです。また、紙で実施する場合は冊子の購入費用が、その後の分析を依頼する場合は分析費用がかかります。この検査に、自社としてどこまで注力するかを見極めた上で予算を策定します。
 

アスリーブレインズが提供する研修の特徴


職業適正検査を活用し人材採用や組織の状態把握などを実施した後は、その人材を育成するための「研修」が必要不可欠です。アスリーブレインズでは、IT企業向け新入社員研修や、ITエンジニア向け研修など多数取り扱っております。ここでは、アスリーブレインズが提供する研修の特徴についてご紹介します。

特徴①経験の有無に関わらず、分かりやすい講義を工夫

アスリーブレインズには、エンジニアとしての経験が豊富な講師が多数在籍しています。現場での経験談を盛り込んだ、分かりやすい講義に定評があります。理解が難しい部分については、実際の事例を交えて解説します。マニュアルを読むだけでは身につけることができない、現場の業務に直結するスキルを提供しています。
また、エンジニア未経験者を対象とした研修もあります。その場合は、なるべく専門用語を使わず、前提知識が無くとも理解が進むような進行を意識しています。

特徴②現場に即した研修を開発

アスリーブレインズは、独立系SIerである株式会社ディ・アイ・システムの100%グループ会社です。グループ内には現役の開発エンジニアが多数在籍しているため、現場に即した研修を開発・提供しています。さらに、研修と現場のギャップを常に把握し、内容をブラッシュアップし続けています。

特徴③お客様に合わせたオーダーメイドの研修設計が得意

アスリーブレインズは、お客様の業界や個別の状況に合わせたオーダーメイドの研修(カスタマイズ研修)の設計が得意です。現状の課題をヒアリングし、その解決に向けて、一緒に研修を作り込んでいくことも可能です。
 

まとめ

いかがでしたか?アスリーブレインズでは、職務適性検査や、採用時・既存社員向けにも活用できる個人向け診断テスト等について解説したブログを公開中です。組織サーベイで組織の状態を可視化することのメリットや、その具体的な方法についても言及しています。例えば「利き脳診断」「DX検定」などについてご紹介しています。そちらもぜひ、ご覧ください。

▶︎思考特性がわかる「効き脳診断」|企業の活用方法・事例を紹介
▶︎DX検定とは|出題領域から難易度、企業の活用方法まで解説